チノちゃん【コンビニ編】
ワイ「ち、チノちゃん!コンビニで宅急便頼まないで!」チノ「うるさいですね…」
ワイ「あ、あぁ~ッ!」 カキカキカキィ~ッ!
チノ「はい、今日の着払いは終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願のコンビニバイトに合格したのだが、『ワイさんは始めたばかりでバイトに慣れてないのでは』
という懸念の声があり、結果、チノちゃんが定期的にワイのバイト先に買い物しに来てくれるようになった。
しかしチノちゃんはなんだか、 ワイのことがキライみたいで、
いつもいつも宅急便や公共料金ばかり頼んで、バイトツライツライなのだった。
ワイ「トホホ……チノちゃん可愛いのにコンビニでの対応はキツイキツイなんだから……あーあ、
どうにかしてチノちゃんの買い物をやさしくて手軽なものにしてもらえないかな~、ん?」
通勤ラッシュの時間なのにチノちゃんがコンビニに来ている。
チノ「ナナチキ5つ……肉まん4つ……」
??ワイ(ち、チノちゃんが、レジ行列の中、サラリーマン達を長時間待たせてフライヤーと肉まんの大量注文をしている!?) ??
チノ「ふぅ……こんなものですかね……。お前ら所詮社会の底辺のアルバイトなんだからもっと早く対応してもらわないと……」
ワイ「チノちゃーん!」 バターンッ! ??
チノ「ひゃあッ!?」
??ワイ「チ、チノちゃーん! ごめんよーッ! チノちゃんは毎日宅急便だけじゃなくて
他にもガ●●ムーブしてたのにワイはそんなことも知らずに……ッ! ピッ!ピッ! チノちゃんのnanacoの残高120円!」
チノ「ど、ドサクサにまぎれてnanacoの残高を確認しないでください!」
ワイ「ご、ごめんねチノちゃん……!」
チノ「べ、別に、フライヤーを大量注文するくらい普通です……。それがお前らのお仕事なんですから……。
それに、私は常連客でそんなに迷惑かけてませんから」
ワイ「そ、そんなことないよ! チノちゃんはタバコを番号で言わず銘柄で注文してるんだよ!
銘柄で言われると割と迷惑なんだよ! あっ、そ、そうだ! チノちゃんおてて出して! 」
チノ「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今からお釣りを返すからね! チノちゃんのやわらかおててにチャリンッするからね! ちゃんと受け止めてね!」
チノ「えっ、えっ?」
ワイ「ウオーッ! チノ! ぷにぷにおててに出すぞ!」チャリチャリチャリーンッ!
チノ「ひゃあッ!」チャリーンッ
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごいお札と小銭が出たぁーッ!」
チノ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……チノちゃんが計算せずに万札をすぐ出すからだよ! チノちゃんの他人を思いやらない優しさのね!」
チノ「私のやさしさ……」
ワイ「そう! だから、買い物なんて、二の次なんだよ!
コンビニの買い物は、何か買ってもらうより、
何も買わずにトイレだけ使ってもらうのが一番なんだよ!」
チノ「何も買わないって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、
メルカリ出品に付き合ってもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一晩中チノちゃんのおててにお釣りを渡し続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、コンビニで買い物をするときチノちゃんがフライヤーの代わりに
おでんを大量注文してくれるようになったので結果オーライ!
終わり